よくあるご質問(文書管理について)


文書管理について



当市は現在新庁舎建設を計画中で、引越の文書減量化のためファイリングシステムの導入を検討しています。現在は簿冊方式ですが、バーチカルファイリング方式では文書量が減量化され、便利だとも伺っています。両方式の長短を教えてください。


日本の古来からの文書管理方式は穴を開けて綴る簿冊方式です。簿冊方式の良さもありますが、やはり合理的、効率的な面では下図の通りバーチカルファイリング方式が優れていると言えます。


方式 簿冊方式 バーチカルファイリング方式
概 要
長 所 一度綴じたら順序が狂わない
綴じるから紛失しにくい
一冊出せば厚いから関係書類も入っている
(注)文書の種類によってはマッチする
【例】
・時系列が大切な伝票類
・台帳として使用する場合、資料として一冊に編集するもの
フォルダーごとに保存年限を決めるため、保存年限の設定が明確で分解・再編せず廃棄可能なため、保管−保存−廃棄の流れがスムーズになり、文書量が大幅に削減される。(1人2fm以下が目標)
文書が処理される都度ファイルしやすい(仕事の完結までの過程を客観化しやすい)
薄いため重要なものとそうでないもの利用度の高いものとそうでないものの分類ができ、混在しにくく活用しやすい
原則として綴じないので取り出しやすく、廃棄しやすい
文書内容ごとに細分化でき、仕事の内容がタイトルで一望でき、仕事が見えるようになる
フォルダー内の保管ボリュームが少ないため、的確なタイトルがつけられる
短 所 仕事がある程度まとまるか、完結しないと綴じない傾向になる(仕事の経過が重要で、その間無管理状態となりやすい)
厚いため重要なものとそうでないもの利用度の高いものとそうでないものが混在しやすく、活用しにくい
保管から廃棄又は保存に移す場合、バインダーごとにグロスで判断されやすく、廃棄されず文書量が増加する傾向がある
保存箱に入れる際、一部廃棄し、薄くなったバインダーや中身の保存年限が異なっている場合は、バラしてフォルダーに入れるか、タイトルを記入するなどの仕分けの必要があり、手間がかかる
穴を開ける手間がかかる
廃棄の際の分解・組み立てに手間がかかる
順序が狂ったり、書類紛失の危惧がある(必要により綴じることも可能)
薄いフォルダーは発生しやすく、フォルダー枚数が増える





私は自治体の文書管理担当をしており、行政改革大綱の中に位置づけして、業務の効率化のためファイリングシステムを導入したいと考えていますが、導入に当たって庁内のコンセンサスをとるのが大変です。どのように庁内のコンセンサスをとりつけていけばよろしいでしょうか。


現在曲がりなりにも文書管理が実施され、日々の事業が行われているところに、行政改革としてファイリングシステムの導入を決定し予算化することは並大抵ではありません。

以前にファイリングシステムを導入するきっかけで成功している例では

 情報公開制度施行の時文書目録作成のため
 市町村合併時に文書管理方式統一化のため
 新庁舎建設に当たって文書減量整理するため
 行政情報化として電子申請、電子決裁制度導入のため

等ありますが、行政改革を目的に導入するためには、現状の文書管理の問題点や導入による効果等を含めた導入計画書を策定する必要があります。一部門、一担当だけの提案では至難のため、庁内に「文書管理改善委員会」等の検討委員会を設置し、関係部門を巻き込んで行政改革事業の一環として 実施した方がコンセンサスがとれやすいと考えます。

委員会の構成は、委員長に副市長または総務部長、委員には各部長または各部の統括課長としたらよいのではないでしょうか。また、委員には先進自治体の見学やコンサルタントの説明等の機会を持って各委員のまずコンセンサスを得ることが先決です。




当市は50課、職員数が500人の自治体ですが、ファイリングシステムの全庁導入にどのくらいの期間を要しますか?


システム導入に当たっては、ブロック別導入が適していると考えます。

まず5課程度モデル部門が先行導入して見本を示し、この実施結果を踏まえて次いで15課程度3〜4か月かけてブロック別に実施していくやり方がオーソドックスであり、事務局への負担も分散され、順調にいくと考えます。

導入決定後1〜2か月間で導入計画や導入マニュアルの準備、管理職研修等全般的なことを一括実施し、具体的各部門の新方式への切替え推進については各ブロックごと実施となります。全体でも1年半ぐらいで導入は終え、あとは維持管理となります。

維持管理点検指導はN+1年度では前年度導入の部門を対象に、N+2年度は全庁6月、12月の年2回実施することをお勧めします。完全定着するまで3年間ぐらいを要すると思いますので、導入が終わったからと言ってすぐに手を緩めないでください。




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